老後のアルコール依存。その原因と対処方法は?
師走に入り本格的な冬の到来ですね。
世の中はどこも忘年会シーズンでしょうか。
一年の締め括りに楽しいお酒で心地よく酔っぱらいましょう~!
さて、今日はお酒のお話をしたいと思います。
『酒は飲んでも飲まれるな』
昔からよく言われますが、皆さんの周りにはお酒に【飲まれて】しまった方がいらっしゃいますか?
楽しいお酒なら問題がないのですが、お酒を飲んで【酔うこと】が目的になると危険です。
アルコール依存症は女性よりも男性の方が多いと言われます。そして男性の中でも高齢者の割合が高いのです。
皆さんは自分の親がアルコール依存症になったらどうしますか?
- ⭐高齢者がアルコール依存になるきっかけ
- ⭐老後にアルコール依存になる高齢者はどんな人?
- ⭐アルコール依存の危険性
- ⭐老後にアルコール依存にならないための対処法
- ⭐老後にアルコール依存にならないためのお酒とのつきあい方
- ⭐老後にアルコール依存になってしまったら
- ⭐アルコール依存症になってしまったら?専門外来のある病院を紹介
- ⭐まとめ~老後にアルコール依存にならないために
⭐高齢者がアルコール依存になるきっかけ
①自身の退職
それまで仕事一筋だった人が定年退職をきっかけに酒浸りの生活をおくることになることが多いようです。
退職して今までの生活がガラリと変わるので、どうやって日中を過ごして良いかわからず呆然自失になりアルコールに頼ってしまうケースがみられます。
②配偶者の死
女性より男性の方が配偶者に先立たれると生活が成り立たなくなることが多いと言われていますね。
男性の場合、退職後に配偶者の地域性に頼って少しずつ生活拠点のある地域に馴染んでいくことも多いので、その架け橋となる存在がなくなると外部と遮断され孤立して行きます。孤独感からお酒に頼ることがあるようです。
⭐老後にアルコール依存になる高齢者はどんな人?
①仕事一筋でやってきた人
もともと勤勉な性格で家族のために仕事一筋で生きてきた人は自身の退職により急にやることがなくなり、住んでいる地域との関わりも少なかったために近所に友人もおらず、孤独感からアルコール依存になりやすいとされています。もともと働いているときからストレス発散のために飲酒していた人は要注意です。
②趣味のない人
仕事以外に自分の打ち込めるものがない人は有り余る時間の使い方がわからず、暇潰しにお酒に走るケースもあるようです。
趣味があれば共通項のある友人ができたり、外部との繋がりを持つことができるため孤独感からのアルコール依存は少ないでしょう。
⭐アルコール依存の危険性
①偏った食生活に寄る栄養不足からの免疫力低下、衰弱
お酒の量が増えてくると酒のつまみが食事の中心になり、栄養バランスが偏ってきます。
そしてお腹が空くとラーメンやお茶漬けなどで空腹を満たす、という生活が続くと塩分が多く、野菜の少ない食生活になり高血圧などの病気や免疫力低下により風邪などを引きやすくなったりして、その結果運動不足になりがちで筋力も衰えていくという悪循環に陥ります。
②認知症のリスクが高まる
もともと体の機能が衰弱し始める年代なので、酒びたりで運動や栄養が不足し生活リズムが乱れてくると、筋肉や脳の衰えに拍車がかかり認知症を引き起こしやすくなります。
⭐老後にアルコール依存にならないための対処法
アルコール依存は重度になってくると心の病です。
『ひきこもらない』
『地域とのつながりを大切に』
社会性を保って自分自身を見失わないようにしましょう。
⭐老後にアルコール依存にならないためのお酒とのつきあい方
①良いお酒の飲み方
地域のイベントなどに積極的に参加して共通の話題を持つ仲間を作ったり、趣味を見つけてその仲間との交流を持ってみましょう。そういう仲間と楽しいひとときを過ごすためのお酒は気分転換にもなるので健康にもプラスになるでしょう。
②悪いお酒の飲み方
酔うことが目的のお酒は不健康極まりないですよね?
たとえば、
・やけ酒……思い通りにいかなかったり、不安なことがある時にそれを紛らわすために飲むお酒。
・暇潰し酒……退職や子供が巣だって一人の時間が増え、その時間をもて余しているために暇潰しで飲むお酒。
・孤独酒……孤独感から抜け出すために飲むお酒。
・寝酒……年を取ると寝付きが悪くなることがあります。そのため寝る前にちょっとだけ、と飲み始めるお酒はだんだんと量が増えていくようです。
栄養バランスの取れた食事がメインの晩酌程度なら構いませんがくれぐれもつまみとお酒がメインにならないように気を付けましょう。
⭐老後にアルコール依存になってしまったら
アルコール依存症かもしれないと思ったら、なるべく早く専門医にかかることが重要です。
もともとアルコールは依存性のあるものなので、大量に飲み続ければだれしもアルコール依存症になり得ます。
依存症のチェックリストを参考に自分や家族に心当たりがないか確かめてみて、危険だと思ったらすぐに病院に行きましょう。
⭐アルコール依存症になってしまったら?専門外来のある病院を紹介
・昭和大学付属烏山病院(東京都世田谷区)
アディクション専門外来
http://www.showa-u.ac.jp/SUHK/department/special/alc.html
・多摩あおば病院(東京都東村山市) アルコール・薬物依存症プログラム
http://sinsinkai.com/about/efforts/substance-use-disorder/
・筑波大+北茨城市民病院附属家庭医療センター
飲酒量が多い人や軽度のアルコール依存症の人などを対象とした飲酒量低減外来
https://newstsukuba.jp/?p=12396
・大石クリニック(横浜)
http://www.ohishi-clinic.or.jp/alcohol_2.html
・秋元病院(千葉県鎌ヶ谷市)
http://www.akimoto-hospital.com/access/
・埼玉県立 精神医療センター
https://www.pref.saitama.lg.jp/seishin-c/annai/senmonchiryo/seishin-alcohol.html
・札幌太田病院
https://www.sapporo-ohta.or.jp/alspeciality/alspeciality.htm
・藤井クリニック(大阪市) 依存症専門クリニック
・その他 全国の病院ナビ
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⭐まとめ~老後にアルコール依存にならないために
高齢の男性がアルコール依存症になるのは退職して社会から必要とされなくなったと思い込んだり、配偶者との死別、離別、子供の独立などで寂しさを感じていたり、と心の問題が絡んでいるようですね。
50代の私自身も他人事ではないと思っています。
仕事や家族のことで忙しくしているうちはどんなに体が疲れていてもアルコール依存になることはないと思うのですが、すべてのお役目を終えてぽっかりと心の中に穴が空いてしまったら……
寂しくても絶対にお酒に頼らないとは言い切れません。
家族は身内の人間がそのような状態になったら迷わず専門家に相談し、重症化する前に食い止めましょう。
そのためには本人の行動ばかりを非難せず、なぜそのような状態になったのか、本人に寄り添って話を聞いてあげることが大切だと思います。
そして何よりアルコール依存になる手前で、本人の僅かなサインも見逃さないように気を配ってあげてください。
家族は本人が地域との繋がりを持った生活ができるように手助けしてあげるとよいのではないでしょうか。
男性は女性よりも繊細で、なかなか地域の場では自分から溶け込むよう積極的に動くことができないと思います。
人間はいくつになってもコミュニティの中で自分の存在意義を見出だしながら生きていくことが体の健康と共に心の健康にも結び付いているのです。
そしてその心の健康こそがアルコール依存症にならないために一番大切なことなのではないでしょうか。