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親の介護が必要になるとき。きっかけとなる病気とは?早期に発見するために。

年に2回、お盆休みや年末年始の機会に実家に帰るという方が多いと思います。
そんな時に親に会って、「あれ、お父さん急に老けた?」など変化を感じたことはないでしょうか?

 

高齢になっても親は年長者としてのプライドや、子供に迷惑をかけたくないという思いがあり、何か身体的、精神的な変化があっても些細なことでは子供に助けを求めようとしない傾向にあります。

 

家族や周囲の人が、高齢者のちょっとした変化を見逃すと、急に介護が必要な状態になる場合があるので
高齢者が出来るだけ自宅で自立して生活するためには、重度の介護の状態になる前に援助・支援することが大切です。

 

今回は、介護が必要となるケース、そのサインについて調べてみました。

 

 

 

 

 

⭐介護が必要になるケース

 

・病気によるもの

 

①認知症

 

誰でも年齢とともに、もの覚えがわるくなったり、人の名前が思い出せなくなったりします。こうした「もの忘れ」は脳の老化によるものですが、認知症は「老化によるもの忘れ」とは違います。認知症は、何かの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。そして認知症が進行すると、だんだんと理解する力や判断する力がなくなって、身体昨日には何も問題がなくても社会生活や日常生活に支障が出てくるようになるので介護が必要になってきます。

 

認知症に関する過去の記事


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②リウマチ

 

自己免疫疾患で遺伝的要素や環境的要素がある病気だと言われています。


手や膝の関節、手足の小さな関節などに好発し、左右対称性に腫れや痛みの症状が現れます。

進行すると肩や肘、股関節などの大きい関節や頸の関節にまで症状が現れ進行すると関節が変形したり、関節がの激痛で、歩行や日常生活に支障をきたすようになります。

近年、良い薬ができているので重症化することは少ないとも言われていますが高齢でリウマチになった場合は痛みにより運動不足になり、筋力の低下などで介助が必要になることも多いです。

 

 

③脳梗塞

 

脳梗塞は脳の血管が詰まってしまう病気です。

後遺症が残ってしまう場合、介護が必要になる場合があります。

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後遺症には脳性麻痺、言語障害、認知障害があります。

《脳性麻痺》とは、脳の細胞や組織などが脳梗塞によって障害を受けることで、体の神経機能などが麻痺してしまう後遺症です。

症状としては、体の片側だけが麻痺して動かなくなったり少ししか動かせなくなる片麻痺や半身麻痺、細かい動作ができなくなったり手足の動きのコントロールができなくなる運動機能の低下、正しい姿勢が取れなくなるというものです。

他にも、熱さや寒さなどを感じられなかったり、痛みに対して鈍感になる感覚障害、物が二重に見える視覚障害、食べ物が飲み込めなくなったりよだれがたれながしたままになってしまう嚥下障害などが起こります。この後遺症は重度の脳梗塞を発症した患者さんに見られるものです。リハビリで症状が改善することもありますが、改善するにしてもその道のりは本人にとっても家族にとってもつらく長いもので、一人で生活することは難しく介護が必要になります。

そして《言語障害》も大変深刻な後遺症です。

言語障害になると、言葉を理解することができなくなったり、伝えたいことも伝えられなくなったりするため、意思の疎通ができなくなります。さらに言葉だけではなく、ひどい場合だと文字も書けなくなるという症状が出ることもあります。

《認知障害》は認知症に似ている後遺症です。

認知障害はあらゆることに対して、普通の感覚を失ってしまうという怖い後遺症です。空間を認識できなくなる、モノの名前を思い出せない、迷子になるなど認知症にとてもよく似た症状で、自分の病気も理解できなくなることもあります。

 

いずれの後遺症もリハビリによって改善することがありますが、介護が必要な状態だといえるでしょう。

 
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④老人性鬱

 

老年期うつ病は、65歳以上の老年期の方が発症するうつ病の事を言います。

その老年期うつ病は、認知症の症状と似ていることがあるので認知症と間違われやすい病気です。

 

以前と比べて、もの忘れがあったり、ぼーっとする時間が増えたり、意欲が低下したりするなどの症状が出現すると、多くの方が認知症を疑います。

認知症になってしまったと思って、物忘れ外来などを受診したけど、実は違ったという事例も多くあります。

老年期うつ病と認知症の簡単な見分け方としては、進行のスピードの違いです。

認知症の場合、急に症状が発症そして急激に進行するということはありません。

ですので、急に症状が出現したり症状のスピードが早い場合には老年期うつ病を疑いましょう。

この他に、老年期うつ病の特徴として男性より女性に多いです。

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老人性うつは《環境的要因》と《心理的要因》が原因です。

《環境的要因》とは、退職や子供の独立、引越しなどによる居住環境の変化、話をする相手がいない、趣味がないといったことが挙げられます。

また、《心理的要因》では配偶者や可愛がっていたペットの他界、重い病気を発症した、病気による症状に悩まされているといったことが挙げられます。

不安や喪失感が出現し、老年期うつ病を発症することな多いと言われ、身体的に問題がなかったとしてもめまいや耳なり、倦怠感など、そしてひどくなると頭痛や腹痛など体の症状にも現れてきます。

 

老年期うつ病を放っておくと取り返しのつかない事が起こる可能性もあり、そのまま放置すると症状は進行し、場合によっては自傷行為を起こす可能性もあります。また自宅に引きこもり他人との関わりがなくなれば、すぐに寝たきりとなる可能性が高くなるので考え方によっては一番見守りや介護を必要とする状態なのかもしれません。

 

 

 

 
 

・怪我などによるもの

 

①転倒による骨折

 

高齢者が介護生活になるきっかけで一番多いのは骨折です。あらゆる機能が低下してきているので、ちょっとした段差でつまづいて転んだりすることも多くなります。

そして骨量が減ってきている場合、転んだ拍子に骨折しやすいのです。

骨折が完治するまでにどんどん筋力が低下し、足腰が弱って急激に全身状態が衰えてきます。

そうなるとひとりで生活するのは少し難しくなってきますね。

 

 

②運動不足による筋力低下

 

歳を取ると若い頃のように動くことができなくなります。思うように動かない体を動かすことはとてつもないエネルギーを要するのでわかってはいてもなかなか運動をすることができません。

運動不足になり、筋力が低下すると認知機能も衰え認知症を引き起こしかねませんし、気力がなくなってきます。特に病気がなくてもこのような状態だと介護が必要となってきます。

 

年を取れば誰もが徐々に弱っていくのはある程度は仕方のないことですが、健康年齢を延ばすために少しでも運動やメリハリのある生活をしてほしいですね。

 

 

 

 

⭐早期に親の変化を発見するためのチェックしておきたい項目

 

①急に痩せたりしていないか、食欲が細くなっていないか。

 

高齢者に限りませんが、食事は元気を測るバロメーターです。
高齢者が食欲が無かったり、食事の量が減ったりすると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり筋肉量が落ちてきます。

もしも入れ歯が合わなくなっていたり、歯肉の炎症などでよく噛めないままでいると、認知症になる危険性もあります。
人間の健康な生活は口腔内の環境によるといっても過言ではないと言えるほど、『噛む』ということは大切です。

噛む力や飲み込む力が弱っていると、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)になる危険が高くなります。
食欲がないということを、年をとったから当たり前と考えていると、突然の介護生活になってしまうかもしれません。

 

 

②家が散らかっていないか、障子やふすまが破れていたり壁紙がはがれたり傷ついていないか

 

 

高齢者は、筋力の低下・バランス感覚の低下・視力の衰えなどから、ちょっとした段差につまづいて転びやすくなります。
転倒・骨折は、高齢者に介護が必要となるきっかけの上位に位置します。
壁などが傷ついていたら、転んだりよろけてぶつかったり、ということが増えているのかも知れません。

高齢になると、掃除や物の整理整頓が億劫になることがあります。日頃から物を減らし、部屋の中をスッキリさせておくことでも、転倒・骨折が防げます。

また整理整頓ができなくなったり以前より片付いていないな、と思ったら気力が失われてきているのかもしれませんので、注意深く様子をみることが大切です。

 

 

③時間の管理や予定の把握ができなくなってはいないか、外出が極端に減っていないか

 

高齢者が家に閉じこもったり外出しなくなると、筋力・認知力が低下する危険性があります。
配偶者の死などによるショックですべてにおいてやる気がでなくなったり、趣味を持っていたのに止めてしまったなどの場合も要注意です。
外出の機会が減っているようなら、さりげなく原因を探ってみたり外出するきっかけを作ってあげるようにしましょう。

 

④いつも探し物をしていないか、物をしまう場所を頻繁に変えていないか。

 

うっかり財布やカギを置き忘れる、ということは誰にでもあります。
その場合には「さっき買い物に行って、ここにカバンを置いたから…」などと、自分の行動を遡って思い出すことで、探し物を見つけることができます。
認知症になっていると、自分の行動を忘れてしまう場合があるのでなかなか探し物が見つかりません。

ですから、時々親の様子を見に行くといつも探し物をしている、という印象を持つことがあります。
また、それだけでなく、大切な物を盗られると思い込みんで隠し場所を変えるということもあるのです。
「年齢のせい」という思い込みは、禁物です。

 

⑤何度も同じことを尋ねたり、同じ話を繰り返し話してはいないか。

 

高齢者は、思い出話しなど、同じ話を繰り返すことがありますよね。
でも、短時間に同じ話しや質問を繰り返すならば、認知機能が低下している可能性があると考えられます。
病院の診察日や人と約束した日時忘れてしまうなどの場合も、認知症の可能性があります。

 

⑥コップや茶碗やメガネなどものをよく落とす・壊すことが増えていないか。

 

食事中に箸を落とす、茶碗や皿をたびたび壊すなどの場合、脳卒中や神経の障害などで、手の震えや筋力の低下がある可能性があります。
初期の脳卒中では、明らかなマヒとして現れない場合があります。
首の骨の椎間板が老化するなどで、指のしびれや手に力が入りにくいなどの症状が出る場合があります。
脳卒中や椎間板の老化などによるしびれや筋力低下は、治療やリハビリテーションで改善する可能性があります。

 

 

⑦夜眠れない、寝付きが悪いと訴えたり、昼間ウトウトしていることが多くなっていないか。

 

加齢による変化の一つに、眠りの状態の変化があります
体内時計が前倒しになったり、睡眠が浅くなるなど、眠りの質と量に変化がおこり、充分な睡眠がとれないことがストレスになることもあります。

夜に充分な睡眠がとれないと、昼間に活動する意欲が低下して脳の刺激の減少により認知症や老人性鬱などを発症しやすくなるというデータもあります。

高齢者は、仕事や家庭での役割が失われたり、家族や友人が亡くなるなどで、抑うつ状態になる可能性もあり、その症状は、食欲低下や不眠だと言われています。

 

眠れないことは、抑うつ状態や認知症を疑うサインとも考えられます。

 

 

 

⭐まとめ

 

 

加齢による心身の衰えは、現代の医学や科学で止められるものではありません。
でも、周囲の人が、高齢者のちょっとした変化を見逃さずに生活環境を改善することで、健康寿命が延びて要介護となる時期を遅らせることができるのです。

高齢者の状態で、介護のきっかけになりそうな点が見られたら、注意深く見守って自治体などで開催されている介護予防の講習会や高齢者支援の活動に親子で参加してみるのもよいでしょう。


筋力・体力アップのための体力作りや、地域住民とのコミュニケーションをとって心身共に刺激をたくさん受けると充実感のある生活をおくることができると思います。

病気や運動機能の障害などが疑われる場合は、早めに医療機関を受診し重症化しないよう家族が気を付けてあげるとよいですね。

 

老いていく親の変化を見逃さないようにしっかりと見守り、少しでも長く元気で幸せな時間を一緒に過ごしたいものです。