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親の介護で罪悪感に苛まれる時はどんな時?後悔しない言動を。

皆さんは高齢のご両親の介護に携わった時に《罪悪感》というものに苛まれたことはありませんか?

 

11月も半ばを過ぎましたが、東京の日中はまだ20度を超える上着のいらない日もあり、本格的な紅葉はまだ少し先のようです。

 

今日は久しぶりのお休みで、ふと思い付いてほんの少し紅葉で色付いてきた公園の中の遊歩道を散歩してきました。

そこは思い出の散歩道で、昨年まで父と一緒に毎日のように歩いた道です。

 
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まだ父が亡くなって一年しか経っていないので、思い出を噛み締めながら歩いていると突然涙が汲み上げてきて自分でも驚きました。

 

日々の雑事で自分の悲しみを紛らわしていても、思い出も、大切な人への想いも、ふとした時に堰を切ったようにあふれでてしまうものなんですね。

 

そして、悲しみと懐かしさと共に胸に残っている罪悪感に、嫌でも気付いてしまいます。

 

介護は時間的、体力的、精神的、金銭的、すべてにおいて介護する側の人間の心身をすり減らしていきます。

 

介護の様々な問題に直面し選択を迫られた時、親子関係が良ければ良いほど答えを出すのに悩み苦しむものです。

 

そしてその正解のない問題の答えを出した後、良い方向に向かわなかった場合……

 

親に対して申し訳ない気持ちになってしまい罪悪感を抱くことがあるのではないでしょうか。

 

 

 

⭐《罪悪感》を感じた私の例

 

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1.父を置いてきぼりにしたこと

 

ある日、父と同居している私たち家族を気遣って、妹夫婦が父の面倒を見ながら留守番をしてくれると我が家にやってきました。

ですが、自分たち家族だけで食事に行ったことに外出の最中ずっと罪悪感を覚え、父を一人置いてきぼりにしたような気持ちになってしまい食事だけしてすぐに帰りました。

どことなく、父も私たちの顔をみて安心したような面持ちでした。

 

 

2.ひとりの食卓

 

一緒に住んでいるのに一人で食事をする、というのは独り暮らしの一人の食事よりも寂しいと聞いたことがあります。

 

子供たちが大きくなってくると帰宅時間もバラバラです。父の食事は6時45分から。子供たちは8時過ぎにならないと帰宅しないので、父はいつも大きなダイニングテーブルにぽつんと一人。

私は食事を出したり世話はするものの子供の塾の送迎などで忙しい時間帯なのでゆっくり話し相手になってあげることもできず……

今思えばあの時なぜ私も食卓につかなかったのか悔やまれます。

 

 

3.守れないかもしれない約束をしてしまったこと。

 

父を励ますために亡くなる少し前にきっとこの約束は守れないだろうな、と思う約束をしてしまいました。

そして結果、守れませんでした。

口約束のつもりではなく、ただその約束を励みに頑張って欲しかっただけなのですが、その守れなかった約束が今も私を苦しめます。

 

 

⭐《罪悪感》の正体とは

 
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罪悪感の正体を冷静に見つめてみましょう。

自分は何に対して罪悪感を抱いているのか、感情に流されず論理的に考えてノートに書き出してみるとよいと思います。

その原因がわかると少しは対処方法が浮かんでくるのではないでしょうか。

 

私は罪悪感とは

「自分が行動しなかったために生まれる後悔の念」

なのではないかと思います。

 

例えば私の罪悪感は、たくさんあるのですが

「どうしてもっと◯◯してあげなかったんだろう」

という後悔から生まれたものが多いです。

 

「もっとこうしてあげていれば今はこうであっただろう。自分が努力を怠ったためにこうなってしまった。」 

と、やろうと思えばできたはずの行動を起こさなかったことへの後悔がいつまでも心に残り苦しみました。

 

 

 

⭐《罪悪感》を感じやすい人はどんな人?

 

1.その人が好きだからこそ良くしてあげたいと考える誠実な人。

 

「大好きな両親にもっともっとありがとう、大好きだよ、と伝えればよかった。まだまだ足りてなかった」

 

十分努力をしているのに愛してやまない両親にもっと色々としてあげたい、相手を思うあまり相手の望む通りにしてあげられなかったと申し訳なく思って自分を責めてしまう人は、罪悪感に苛まれやすいと思います。

 

2.ネガティブな人

 

性格的に物事をすべて悪い方に受け取ってしまう人は、

明らかに自分のせいではないことでも「私が悪かったんだ」と思い込んでしまいます。

度を過ぎると鬱になってしまうこともあるかも知れませんので罪悪感で苦しんでもうどうしようもなくつらい、と言う場合は専門家に相談してみると良いかもしれません。

 

 

 

⭐《罪悪感》を感じるのは良くないこと?

 

 

協調性があり誠実な人が罪悪感を感じやすいと言われています。相手のことが好きで、大切に思うことによって

その人の望むようにしてあげたい、と努力のできる優しい人なのです。

罪悪感を感じるのは決して悪いことではありませんが、本人にとっては苦しいことではあるかも知れません。

 

 

⭐《罪悪感》を感じないために。

 

1.悔いのない言動を

 

罪悪感を感じないようにするためには、後悔のない言動を意識することだと思います。

 

介護の疲れや思うようにことが運ばない苛立ちなどで感情的になりそうな時に、一度深呼吸をして立ち止まってみましょう。

 

感情的になって大切な人を傷付けるようなことをいってしまったら本末転倒です。

 

2.ポジティブな考えを選択しよう

 

そしてもうひとつ、やはり考え方がポジティブな方が罪悪感は感じにくいと思います。

罪悪感は感じても良いのですが

「でもそれって考え方を変えればこういうことだよね?」

と違う捉え方ができれば罪悪感で苦しむこともないし、もしかすると考え方を変えて捉えたことの方が正解に近付いていることもあるかも知れません。

 

 

⭐介護をしていてぶつかる様々な問題

 

介護をしていると、本人が決められないことを代わりに決めなければならない時が多々あります。

 

同居していてもしていなくても介護状態にある親の身の回りのことやこれからのことは子供が親の希望を聞きながら一番良い方法を選んでいくしかありません。

 

責任を感じて目に見えない重圧で押し潰されそうになるときもあると思います。

 

介護の状態になったとき、まずは地域の包括センターに連絡をしそこの職員の方がマッチングの作業をします。

つまり、ケアマネージャーの決定です。

 

ケアマネージャーさんともし、相性が悪ければ替えてもらうこともできますが離れて暮らしていると状況がよくわからないこともありますよね。

 

相性の良いケアマネージャーさんに当たると決め細やかな意志疎通ができ、介護に纏わる悩みごとなども相談できたりしてとても心強い味方になってくれます。介護サービスを受けるか受けないかは別として介護のプロに相談して今後に備えておくには早いに越したことはありません。

 

急に体力が衰えたので階段に手摺をつけることになった、訪問看護をお願いすることになった、お風呂の時洗い場で介護用のシャワーチェアーが必要なのでレンタルしたい……

 

コミュニケーションが密に取れなかったばかりに色々な手配が遅れ、それが原因で転倒や不自由な想いをさせてしまうのはとても悲しいですよね。

 

 

親子で良く話し合い、ケアマネージャーさんや地域の福祉の方にも色々と相談してみてできるだけ後悔のない介護ができるとよいなと思います。

 

 

⭐親の気持ちは……

 

私たち子供は、親には感謝の気持ちでいっぱいなので、できる限りの恩返しをしたいと思っていますよね。

 

では親の気持ちはどうでしょうか。

 

私も人の親ですが、親は子供がいくつになっても真っ先子供の心配をしているのではないかと思います。

子供が苦しむ姿は心配でたまらないでしょうし見たくないと思うかも知れません。

どんなに老いて体が動かなくなっても、どこかで「子供のためなら」という決死の覚悟を持っているのです。

 

私たち子供は罪悪感など感じず笑顔で生きていけたら、それだけでも親は幸せなのかも知れませんね。