離れて住む独り暮らしの父親の食生活を考える。 私たち子供にできることは?
~離れて住む独り暮らしの父親の食生活を考える。
私たち子供にできることは?~
一昔前に比べ、身体機能も知的能力も外見も若返っているかのような高齢者。
私たちも育ててくれた大切な両親には元気で長生きして欲しいですよね!
しかし近年、若々しい見た目とは反して75歳を機にその能力は一気に低下することがわかっています。
その75歳の壁を越えるためにも60代のうちから健康を意識した食生活や運動等、コツコツと続けていかなければなりません。
両親共に元気で生活していらっしゃるのであれば当面食事などで困ることがないと思うので安心ですが、妻に先立たれて独り暮らしを余儀なくされることになりご飯ひとつ自分で炊けない、煮炊きする料理は絶望的、というお父様をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
子供の方はそんな親が心配ですが、離れて住んでいる場合は手伝ってあげたくてもできない、一緒に住みたくても呼び寄せることも実家に入ってあげることもできない、という儘ならない事情があると思います。
そんなとき、子供はどのようにして親の健康を守るためのサポートしていけばよいのでしょうか。
⭐お役立ち家電
独り暮らしの男性におススメのお役立ち家電をご紹介します。
炊飯器さえ扱えないというお父様には最初だけ一緒に使ってみてあげてくださいね。
慣れれば簡単に使えますし、コンパクトサイズの調理家電は洗い物も楽チンです!
1. 象印マホービン(ZOJIRUSHI) 温泉たまご器 EG-HA06-WB
卵と水を入れてスイッチを押すだけで簡単に温泉卵が作れる製品。鍋につきっきりにならなくてもよいので便利です。夕食に一品加えたい時や、うどんやラーメンのトッピングを作る際に1台あると重宝します。
2.ティファール(T-fal) アクティフライ FZ205088
一台で「揚げる」「炒める」「煮込む」ができる便利な製品。食材を入れて調理モードと調理時間をセットしてスタートを押すと自動で調理します。ほかの調理を同時進行できるので、時短調理でもメニューを増やしたい方におすすめです。
3.マクスゼン(maxzen) ミニ炊飯器 RC-MX151
0.5合~1.5合の炊飯に対応した一人暮らしに最適な炊飯器。少量の米を大きな炊飯器で炊くと電気代が気になりますが、炊飯時の消費電力が200Wと低いので安心して使えます。
1合の米なら20分で炊飯できるのもポイント。1~12時間のタイマーセットもできるので便利。
コンパクトなので洗い物も楽です。
4.電気圧力なべ「クッキングプロ」
クッキングプロには全部で5つの圧力調理ボタンを搭載。料理や素材ごとにぴったりな温度・時間が登録されているから、ボタンを押すだけで操作完了。自動で圧力調理が始まります。「肉・豆」ボタンで、むずかしい黒豆も前日からの浸水がいらず、カンタンにふっくら。難しい設定は必要ないので、高齢者の方でも簡単に調理ができます。
⭐栄養素の必要性
食べ物から得る栄養素には、人間の体を健康な状態に保つための重要な働きがあります。
それぞれの栄養素の働きが複雑に関わることで体の状態が健康に保たれているので、食事の内容に偏りがあると、せっかくとり入れた栄養素が十分に働くことができなかったり、余分な栄養素が蓄積されて肥満となり、やがては生活習慣病を招くことにもなります。
バランスのよい食事を、決まった時間に必要な量だけとることは、健康を維持する基本となります。
1. 三大栄養素を知っておく
献立を考える上で大事なのは三大栄養素と言われるものです。
①エネルギーになるもの
米、パン、麺類などの主食(炭水化物などによるエネルギー源)
②体をつくるもの
魚、肉、卵などの主菜(主要なたんぱく質・脂質源)
③体の調子を整えるもの
果物や野菜などの副菜(ビタミン・ミネラル源)
この3つの要素を毎食とり入れることが理想です。
2. 糖質6:脂質2:たんぱく質2
エネルギーになるものには糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質があり、そのバランスも重要です。
全エネルギーを10とした場合、理想的なバランスとされるのは大雑把にいうと糖質6、脂質2、たんぱく質2です。
高齢者の特性は筋肉量、骨量が減ってきますので補うために近年はたんぱく質を積極的に摂ると良いと言われています。
近年、減塩食の典型と言われる日本型の食生活が理想的な献立として見直されていますが、主婦でも毎食栄養素を気にしての食事作りは本当に大変です。
男性が日頃から献立を考え調理する、ということができるとすればそれは奇跡に近いのではないでしょうか。
なので、大雑把に体に必要なものだけ理解してもらいましょう。
⭐お役立ち食材
外食が常となっていらっしゃる方なら良いのですが、金銭的にも毎食を外食というわけにもいかないでしょうし家にあるもので手軽に栄養を補給できる常備しておくと重宝するお役立ち食材をご紹介します。
1.サバ缶、ツナ缶などの缶詰め類
①サバ缶
EPA、DHA、ビタミンDが豊富です。EPAとはエイコサペンタ塩酸、DHAはドコサヘキサエン酸のことです。これらは青魚に多く含まれる「油」のことです。
必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)の一種で、その働きとしては、血液をサラサラにする・コレステロールや中性脂肪を下げる効果があります。
高齢の方で高脂血症と言われている方も多いと思いますがこのサバに含まれる必須脂肪酸で心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを下げることができます。
さらにDHAは脳や神経の機能を助け、脳を活性化させ認知症予防にも。サバは青魚の中でもEPA、DHA量はトップクラスです!
サバには多くのビタミンも含まれますが、中でもビタミンDが豊富で、カルシウムの吸収率を上げる補助的な役割があり骨形成を促進させます。
骨粗鬆症などの予防のため丈夫な骨づくりにもサバは良いということですね。
②ツナ缶
ツナに含まれる豊富なビタミン。
サバ缶も優れものですが鯖特有の臭みが気になるという方もいらっしゃいますよね?
その場合はツナ缶もサバ缶に劣らず栄養素がたくさん入っていますので利用されてはいかがでしょうか。
マグロでもカツオでもビタミンDやビタミンE、ビタミンKが豊富です。サバ缶と同じくビタミンDはカルシウムの吸収に欠かせないビタミンであり、骨の形成において重要な役割を果たしています。
またビタミンEは抗酸化作用があって血管の健康を促すのに役立つのが特徴です。
ビタミンKは血液の凝固に関わる他、骨の形成にも関与することが示されていますし、ビタミンB群のナイアシンやビタミンB12の含有量も多めです。
ミネラルとしてカリウムや鉄、カルシウムや亜鉛などが少しずつ含まれています。突出して多いミネラルこそないものの、広くミネラルを摂取するのに役立つでしょう。
2.卵、豆腐
たんぱく質の代表でもある卵と豆腐。
手間隙をかけず、良質なたんぱく質を摂取するにはゆで卵、冷奴が一番簡単な料理でしょう。
卵はコレステロールも高いとされていますが最近では1日2、3個までなら食べてもよいとされていますね。
一度に2、3個作って翌日までに食べきるように常備しているとよいですね。
豆腐も消費期限が3、4日以上あるものが多いので冷蔵庫に常備しましょう。
3.肉類
東京都健康長寿医療センター名誉院長で骨粗鬆症財団理事長の折茂肇医師は「低栄養にならないように、タンパク質、とくに肉を食べるのがいい」と仰っています。
一昔前までは、「高齢者は徐々に食が細くなるものなので体の欲する量だけで十分である。肉はあまり食べないほうがいい」と言われていましたが、筋肉の研究の進歩によって最近では、高齢者は高タンパクの食事をとらなければ、筋肉が減る一方であるということがわかってきています。
また肉を食べられる高齢者は、健康で元気な人ともいえるので、食べたいだけ食べて良いのです。
でも消化の能力も年齢と共に落ちてきていると思うので食べたあとに胃もたれする、お腹を壊す、といったことがあるようなら量を加減しつつも、積極的に肉類を摂取するようにしましょう。
しかし、75歳を過ぎて急に毎日肉を食べようとしても食べられるものではないので、早いうちからそういった食習慣をつけておくことが重要です。
以前テレビ番組で小児科の女医で90歳を越えて現役の方の密着映像がありました。
毎日夕食に100g以上の赤身のステーキを召し上がっていらっしゃったので驚きましたが、その方は体作りには『赤身の牛肉』と仰っていて、亡くなった私の父も亡くなる1年ほど前までは週に2、3回牛肉の赤身のステーキを食べていたのでやはり80を過ぎても元気な高齢者は肉類を取っているのだなと思いました。
ステーキ肉をまとめ買いして一枚ずつラップしてジップロックに入れて冷凍しておくとよいですね。
4.果物
ビタミンA、βカロチンを摂るためには緑黄色野菜が必要です。野菜は洗ったり茹でたりと下処理をしなければならないので料理をされない男性からするとあまり手を出したくない食材になるのではないでしょうか。
冷凍のほうれん草やブロッコリーなども手頃な価格で手に入るので冷蔵庫に常備しておきたいものですが、果たしてそれをうまく活用できるか……少し心配ですよね。
ビタミンCならイチゴやみかん等の果物で手軽に取ることができますがみかん等の皮のついた柑橘類以外は残念ながらあまり日持ちしません。
日持ちしない果物は購入したり送ってあげたりして、日持ちのするみかんなどは常に家にあるととりあえずのビタミン補給にはよいかと思います。
5.サプリメント
野菜不足を補うのにサプリメントもひとつの方法です。
我が家では夫が癌になって以来ずっと取り寄せているサプリメントがあるのですがご高齢の方は持病をお持ちの方も多いと思いますのでサプリメントもよく調べて購入しないと効果が薄くなってしまったり、持病の薬の妨げになることもあるかと思います。
でも、心筋梗塞、高脂血症、前立腺肥大症、気管支喘息の持病があり、白血病で85歳で亡くなった父は亡くなる1週間ほど前まで夫と同じサプリメントを飲んでいました。
持病の薬とは関係なく摂取することができ、栄養を補うことができていたのではないかと思っているので参考までにご紹介しますね。
ブロリコ→
https://www.imagine-gc.com/business/brolico.html
長白仙参→
https://www.saishunkan.co.jp/chohakusenjin/
個人的にブロリコは食品と同じだと考えています。
長白仙参は朝鮮ニンジンも入っていることから体に良いと思うのでこの商品の謳う筋力をつける、ということだけでなく弱っている体に摂取した方が良いものだと思います。
サプリメント購入で最優先させるものは『害のないもの』『栄養素を補う』ものだと思いますのでご興味のある方はホームページを覗いてみてくださいね。
⭐まとめ
お役立ち家電や食材をご紹介してきましたが、実際それをお父様が使いこなせるか……
そこが心配です。
ご実家に何日か帰省された時に一緒に買い物に行ってどこに何がおいてあるかのチェックしたり、簡単なメニューを一緒に作ってみたり、お役立ち家電を購入した場合は一緒に使ってみるなどコミュニケーションを取りながらされてみるとよいですね。